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「好きだったんですよ」
過去形の告白にも
ぼくはドキドキした。
人から「好き」と
言われる感覚に、慣れていない。
慣れるのも
どうかとは思うけれど。
たじろがない強さが
あればいいと思う。
ドキドキして、ホコホコして、
ちょっと舞い上がる。
そして
好かれていたのは
過去の自分だと気がついて、
着地する。墜落みたいに。
よろけて、転ぶ。
ま、彼女の中で
好きになってよかった人と
思って貰えていたなら、
それは、幸せだ。
悪い想い出になっちゃった
ゴメンネ、と、
何故かぼくが被害者になり、
存在が薄く消えていくよりも、
それは、幸せだ。
幸せな過去があるから、
これからも大丈夫。きっと大丈夫。
そう言いながら、立ち上がってみる。
雲ひとつない1月の空は、
青くて青くて、とても広かった。
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