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ガンで死ぬのだね。
からだじゅうに
ある日とつぜん
ホクロができた男は、
呪いの病を患ったのだと
そう思った。
あくる日、
ホクロはもっと大きく広がり、
そのあくる日は
もっともっと広がった。
来月まで
生きられるのだろうか。
楽しく辛いできごとも
来月にはもうきっと
味わえないのだ。
消えているから。
泣いてしまった次の日は
もう今月の月末だった。
沈んでいく月を
ぐいと持ち上げて、
空の真上のてっぺんに
プラチナ製の高価な釘で、
がんと打ち固めてしまえたら、
どんなにいいかしれない。
そう思いながら男が
呪いのホクロを見てみると、
そこにホクロはすでになく、
かわりにクジラが生えていた。
気がつけば、
ホクロのあったところには
得体の知れない生き物が
ムシャムシャと生えている。
かれらは一様に
「のろいのろい、あーのろい。
うすのろうすのろくって
どんくさい」
なんてぶつくさいているので、
男はちょっと頭にきて腹がたち、
「お前たちの世界はこの俺だ」
と知らしめようと、
月が変わっても踊りつづけている。
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